白緋で吸血鬼


※ここから下は、BLEACH白緋・吸血鬼パロディ小説もどきですっ…!

[設定]

白哉さんが吸血鬼で、緋真さんは吸血鬼王族の血をひくバンパイアハーフです。(のっけからツッコミどころ満載っ!)
混血だから血が甘くないんです。
辛口スパイシーなんです!(白哉さまにピッタリだね!←おい)
一応、赤薔薇のお城で幸せに暮らしてたのですが妹とともにお城を追われてしまい、そのときまだ赤子だった妹ともはぐれてしまいます(ここらへん原作意識←もういろいろ手遅れだけど!)
混血なので人間にも吸血鬼にもなれず何処へ行っても仲間外れ気味なわけです。
そして追われるうちに白薔薇の吸血鬼・朽木白哉の領内の森に入り込んでしまい…。 怪我して逃げてるところを助けてもらったりなんだりして〜というありがちな空想を調子に乗ってメモっているうちに
『…なんかコレもう小説っぽく改造して出したほうが、はやいんじゃない?』
と思い、無理矢理、文章にしたものです。

血吸うシーンとか出てこないし、あまり吸血鬼ぽくもないかもですが…!

「それでもかまわないっ!」という頼もしい方だけ、以下お進み下さい…。

赤き血を求め、白き月の照らす、黒き闇を生きる者達…吸血鬼。
吸血鬼が住まうとされる広大な森にそびえ立つ城。
この大きな城の小さな庭に、昼間でも薄暗く日も射さないというのに見事に薔薇が咲いている。
城に来てからというもの、緋真はその庭にいることが多かった。

『白い薔薇ばかり咲いている』

そう思った。
そして、薔薇の色と同じ『この城の当主の名』を思い出し、微笑む。
彼は吸血鬼の中でも上流の貴族のうちのひとつで、吸血鬼と吸血鬼の間に産まれた純血種だ。
それに比べて自分は人間の血が交じる混血種…。
それなのに、追われて彼の領土であるこの森に迷い込んだ自分を助けてくれた。
なぜ拾ってくれたのかはわからないが時々気に入ってくれているような素振りが感じられ、その度にうぬぼれてはいけないと思いつつも、惹かれてゆく自分に気づく。
もっとも毎日会っても顔もまともに直視できないのだが。

(きっと彼の容姿が綺麗ずぎるせいだ)

そんなことを考えていたとき

「何を、している」

「!?びゃ、白哉様…!」

いつの間にか、すぐ近くにやって来ていたようだ。何か答えなければ、と

「薔薇を、見ておりました…」

考えてみれば、当たり前すぎる受け答え。
そんなのは聞かなくてもわかることだろう…が、まさか彼のことを考えていたなどと言えるはずがなく。
焦る緋真に白哉が尋ねる。

「緋真は、この庭が好きか?」

「あ、はい。この薔薇は、いつ頃から植わっているのですか?」

「…よくわからぬ」

そして、ひと雨きそうだから中へ入るぞ、と言い城の中に入ってしまった。
いつも曇り空だからよくわからないが、白哉に続いて城内に入ろうとしたときにポツッポツッと小雨があたった。
わざわざこの事を伝えに来てくれたのだろうか…?
そんなに、大切に思ってくれているはずがないのに。
…自惚れてはいけない。
この城に置いてもらえるだけで私にとっては過ぎる幸せ。
そう、自分に言い聞かせた。

 …

緋真を拾ってから、しばらくたつ。
が…未だに警戒心は解けていないような気がする。
先程も話しかけたら驚いた様子で、目があえば視線をそらす。
だから、あのように薔薇に微笑む姿は、はじめて見たかもしれない。
…嫌われているのだろうか…?
そんな事を考えていたとき

「久しぶりじゃのう、白哉坊!」

「お邪魔しますよン」

「…夜一に喜助…一体何をしに来た」

夜一は同じ吸血鬼(と、いうより猫を連想させるが…)の女で、喜助は夜一と旅をしている怪しげな、謎の人物である。
吸血鬼なのか人間なのかすら詳しくはわからない。

「ホレ、この雨じゃ。何処かで雨宿り出来るところはないか、と思うておったら、白哉坊の城が近くではないか」

「そんでやって来たわけっスよ」

喜助が補足する。
近く〜と言っても純血の吸血鬼の持つ領地の森は広いので…二人は相当人間離れした素早さでやって来たことになる。
その間に雨がやんでしまったら、どうするつもりだったのだろうか。

「喜助! あの娘じゃぞ、緋真は」

「夜一様…?」

夜一が指さす先の緋真は怖ず怖ずと声を出す。
夜一と緋真は、緋真がこの城に拾われて来た頃に一度会ったことがあった。

 … もとが暗い森なのでわかりにくいが、すっかり日も落ちてしまった。
しかしまだ雨は降り続き…。
雨宿りと称しつつ実際は白哉と緋真をからかい目当てに遊びに来た夜一と喜助はまだ居座っていた。
「なんじゃ、緋真は寝てしまったのか?」 すでに夜も更けている。
が、吸血鬼にとっては夜が更けてからが、もっとも活動的な時間帯。
緋真も起きて付き合っていたのだが…。

「夜一サン、今何時だと思ってんですか…」

とうとう半分の人の血が睡魔に負けてしまったらしく。
ソファーに座ったままウトウト眠ってしまっていた。

「そういえば…」

緋真の寝顔を見て、白哉は思い出す。
庭で聞かれたことを…。

「この城の庭の白薔薇は、いつ頃植えられたものだっただろうか」

「はぁ?…あぁ、あれは確かお主が生まれた祝いで植えられたものじゃなかったかの」

ただでさえ長命な吸血鬼と吸血鬼の間に子供が生まれることは滅多にない。
成る程、そういわれてみれば、そうだったような気もする。

「なんで、お主の家の花のことを濃が教えてやらなければいけないのじゃ」

「なんか珍しいっスね、そんなこと聞くなんて」

二人とも口々にそうもらす。

「緋真に、聞かれた。…あれは、私よりも庭の花に気を許しているようだ」

「…は?」

また二人が、今度は驚きの声をあげる。

「白哉坊、それはカン違いしておるぞ」

夜一が断言する。

「そうそう、気を許してないコが、こんな風に無防備に寝ちゃったりしませんて」

「…そうだろうか」

「そうじゃ!」

「そうっスよ」

そんなことを話しているうちに時は過ぎたらしく、気付けば雨がもうやんでしまっている。

「あーもう!だから何故!緋真と暮らしていない濃等が、一緒に暮らしているお主に、緋真のことを教えてやらねばならんのじゃ」

雨も止んだし、そろそろ行くぞ!と夜一は来たときのように颯爽と去っていった。

「そんじゃ、お邪魔しました〜」

この来客者達に夜も昼もあまり関係ないらしい…。

部屋には緋真と二人きり。
先ほど帰って行った客人…夜一と喜助が言っていたことを白哉は考える。
気を許していない者が、無防備な姿をさらしたりしないと。
緋真はまだ、眠ったまま。
眠る緋真の髪に触れてみる。
もし、彼等が言っていたとおり嫌われていないとしたら…。

「ん…」

目が覚めた様だ。髪から、手を離す。

「あっ…あの、夜一様と喜助様は…?」

眼を開くと予想外に近くに居た白哉に驚きながらも、聞いてみる。

「二人ならば、帰った」

「えっ…も、申し訳ありません。途中で寝てしまったみたいで…!」

挨拶も出来なかった、失礼をしてしまった…と慌てる緋真。

「そのようなこと、気にしなくてよい」

と、言ってみたものの、その後の会話が続かず沈黙が重くのしかかる。
あらためて夜一と喜助の存在の大きさに気づくも、すでに彼等は帰った後で。
どう接すれば良いのかわからず、もう自室に戻ってしまおうかと緋真が思ってたそのとき。

「庭の薔薇は、私が生まれた頃に植えられたものらしい…。私も、そのようなこと忘れていたが」

突然発せられた、淡々としたその言葉を聞きながら、あのような自分の些細な言の葉を覚えていてくれたのかと…それだけで心躍る気持ちになれた。

「だから、白薔薇ばかりだったのですね」

「そうだな…」

緋真といると、遠い昔に忘れてしまった、小さな、様々なことを思い出す。
それだけが、こんなにも心惹かれている理由ではないと思うのだが。
その理由がわかったときには、このらしくない想いも少しは落ち着くのだろうか?

「あの花は、好きです」

不意に緋真がそう言った。
また、沈黙がやって来そうだったので、何か言わねばと思い発した言葉だったが…
それは、よくよく考えてみれば白哉への間接的な告白ともとれ…口から出してしまったあとで、それに気づき慌てた。
が、当の白哉は気づいているのかいないのか。

「では…そのうち赤いのを、植えてやろう」

と、そう言った。

「…!…」

白哉は、やはりどういうわけか自分に対し良くしてくださっている…と、緋真は純粋に驚く。
不思議だけれど…嬉しくて仕方がなくて。

「…ありがとう、ございます」

お礼と一緒に、微笑もこぼれた。
そして、白哉もそれを見逃さなかった。

 【とりあえず終わり】

そんな白緋小説でした。
みっ、みてしまった貴方…!
ありがとうございました!!
(そのうち、もっとわかりやすいキャラ表つくります…続きも出来ましたら…!)

ひとつ前に戻ります。

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