人でなしの恋
はじめて頼ろうかと思えた人。
「姉上様…」
妹は心配してくれていたが。
「それでも私は優しい人が良い」と妹は言っていたが…。
だから私にはあの残虐非道と噂の尽きぬあの方で良いのだ。
代わりに妹を送り込んだはずなのに。
「貴女は私を見ても恐れを抱かないようですからね…貴女だけは。」
恐れもせず自分を見つめる女…自分に会っても、
その正体を知っても眼に恐怖や嫌悪を宿らせない女は二人目だ…
あの魔王の妻は別格かと思っていたが別格な女がまだいるとは。
「その恐れを映さない眼が私を引き付けるのですよ」
あぁそうか。
戦う者や天下を統一しようという者も、貴方様も、
このアザだらけの身となってしまった私も、そうさせた神々も恐ろしいから。
「だから、せめて私の頼る方は…
「面白いことを言う女ですねぇ…そんなことを言うと、
私は貴女の期待を裏切るかも知れないですよ?」
「それでしたら、私の見る眼がなかったという、それだけのこと…
文句は言いませぬ」
なるべくならそうならないで欲しいけれど、
世の中はそう上手くはいかないことを、
嫌と言うほど知りすぎているつもりだった。
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だいぶ前に桃桜さんに差し上げた明智夫妻なれそめ(?)小説デス…というか婚約話だな!
ていうか文章中に一度も光秀煕子って呼び名が出てこない…(問題山積み)
思っていたよりもずっと美しい人だった。
確かに狂気的ではあったが。
「私の良人となる人は、この恐ろしい世界を生きぬける恐ろしい人がよい。
…何を怖がることがあろうか。
この戦国の世に生まれ合わせたこと自体すでに怖いことなのに…。」
私の決心は前に言って聞かせたとおり。
心根の優しい人が、この世界で生き残れるものかと思ってしまう。
この婚約話が来たときそう感じた。
喜びと殆ど変わらない高鳴りも…。
後は婚儀を待つだけとなった。
それなのに…。
「父上が申し上げた通りです。
私のからだはもう、この通り…何故…わかったのですか」
見破られてしまったと聞いた。
あの子は、妹は私と違って怖がるのがわかりやすいから…
バレてしまったのか。
「…少し、勘違いをしていらっしゃいませぬか。
私は恐れがないわけではありません。
私にとってはこの世界そのものが恐ろしい…
狂気を含んでいるのです。」
この恐ろしい世界で生き抜くことが出来そうな、恐ろしい方…
…そう決めていただけのことです。」
成る程そういうことも、あるかもしれない。
…ずっと後になってから結局、私は優しい人を選んでしまった
のだと思い知ることになる。
…もう逃げられなくなった頃に…。
煕子さんが明智さんとの結婚前に病にかかりアザが出来てしまい、代わりに妹を替え玉に送るんですが見破られて~という逸話を聞いて…まぁ、BASARAの、あの明智家の場合どーなるんだこりゃと気になってしまったもので。
ウチのひろこちゃん…最初、みんな怖いから怖い人に嫁いでき
た、ちょっと変わった怖がりさんだったのに。
(ただし表情に出ないので誰も気づかない)
…今ではスッカリみっちゃんへの愛に目覚め、なんだか似てきた風になっ
てしまいました(汗)
もう、怖いものなしでしょ、ひろこちゃん…。