ゆきあき


 

膝枕

 

幸村様、またお館様に殴られて帰ってきました…。
純情というか何と言うか…はぁ。
と、(一応)妻の安岐はため息をつく。
ウチの人にとってお館様は父親そのものなのでしょう、まぁ、殴り合いも仕方ない…?と苦笑いする。
諦めている…というより馴れた。

「またお館様に殴られたのですか?」

「う…これくらいなんともない!」

と言われるが、いつも通り手当てする。
にしても本当に痛そうだ。

「…たまには殴り返してやったらどうでございます?」

安岐が小声で囁く。

「おま…恐ろしいことを言うな」

「まぁ何を恐がることがありましょうか。大丈夫ですよ、お館様は戦神ですもの。幸村様の攻撃くらい、簡単に避けて下さります」

「む…!?…それはそれで…」

面目ないですか?ふふふ、と安岐は微笑む。

「…そんなことより!まだこうしていなければいかんか?安岐…」

実はこの最中、幸村は横向きに、腫れた頬に氷をあてつつ膝枕をさせられている。
もちろん安岐の膝に。

「腫れが引くまで駄目です」

我慢なさりませ、と自分の旦那の願いを即座に却下する。
必要以上に恥ずかしがる幸村を面白がっているようにも見える…。

「夫婦といえどこんなこと「殴られて帰ってくる幸村様が悪いのですよ〜」

破廉恥とは言わせない。

「安岐ちゃんの言うことも一利あるよ旦那。 あんまり奥さんに心配かけるのはいけないね〜」

「ぬおぁっ!?さ、佐助っ」

何処からか、わいて出た忍に驚き、膝から飛びのく。

「なっ何用だ、佐助」

「ん?あぁいや、実はね…」

その後、二人で何やら話し合うことには…どうも近々戦があるらしく、準備があるのだそうな。

「すまぬ、安岐。また留守にする」

あぁ、まだ腫れひかないのにーと思いつつ、準備を手伝う。

「ごめんね〜安岐ちゃん…せっかく旦那と良い感じだったのにお邪魔しちゃって」

「そっそんなことありません…!」

安岐が顔を赤らめる。

「治療してただけですよ!?」

まぁ、確かに嘘はついてない。
何も知らない人が見たら確実に勘違いするが。

「そうだぞ佐助!それがしと安岐は、そのような、ふしだらな関係では無い!!」

幸村の顔は佐助が来ていたときから、ずっと赤い。

「そうです!そればっかりは幸村様の言うとおりです!!」

「いや、ふしだらも何も、君たち夫婦だよね?」

変なところで息ピッタリだね、君たち…と溜息をつく佐助だった。

<おわり…!お粗末様でしたっ!>

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ウチの真田家名物・ひざ枕でした。(ごめんなさい性分なんですごめんなさい)
バサラ真田といえば武田のお館様とのなぐりあい…→顔腫らして帰宅→安岐ちゃん嫌がる幸村を無理やり治療(膝枕)→元気に出かける→またなぐりあい…の、エンドレス!(朱月の脳内でだけです)
使えるシチュエーションは何でも使ってしまう私の妄想力て何なんだろう!(え)
でもお館様を殴る幸村は1の信玄公エンディングで見れたはず…!
そんなわけで(え)ウチの真田夫妻、清らかな関係過ぎてごめんなさい…。(そこ謝るところ?)
膝枕より上の展開には、見えない天井があって行けないんです…。(笑)

ひとつ前に戻ります。

ギャラリーに戻ります。

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