15の続編

※この話は15 国境の東、太陽の西の続編です…!


 

 

幸村様は戦場には来るな!といつもおっしゃられる。
女が戦場までついてくるのは、はしたないことで破廉恥だと。
おそらく男のプライドとか意地とかにも、かかわることなんでしょう。
私にだって男には男の、女には女の役割があるのだということくらいわかっているけれど…。

  「…やはり気になるものは、気になります…」

幸村の妻である安岐は、あの大谷吉継の娘である。
彼が変な虫がつかぬよう必要以上の教育を施したため、実はそれなりに馬も乗りこなすし強い。
きっと、戦場でだってお役にたてることがある(かもしれない)だろうに…と感じるのは思い上がりだろうか。
そりゃ、幸村の武功には遠く及ばないだろうが…それを差し引いても、のけ者にされたようで少し寂しいという感情がわく。

「…涙は…見せません。泣いたり等するものですか」


顔で笑って心で泣いて…悶々としながら、最近恒例になりつつある戦場追っかけを密かに決意する安岐…。
決して頼れない、心配というわけでは無いのだ。
ただ、待っているだけなんて、耐えられ無い。
何かあるはず…安岐にも出来ること…そう考えながら、父親の武器と揃いの薙刀を手に取った。

「と、いうわけで、いざ!幸村様の向かう奥州へっ!」

安岐は不安やドキドキを抱えつつ…愛と同じように安岐も…いや、愛よりもコッソリと彼女の夫・幸村を助太刀しに行こうとしていた。

「(見つかったら、『ハレンチー!』って、どやされますからね…)」

あ、でも見つからなければ良いのだから!きっと、なんとかなるはず…。
そんなことを考えながら、(変身シーンこそ無いものの)赤い手甲を身につけ、無印BASARAの前田の奥方のように馬でひた駆ける安岐。


「安岐ちゃん!ちょっと待った!」

が、途中で唯一人幸村の奥方 安岐姫が戦場へやって来て夕飯の仕度までに帰宅していることを知る忍・佐助が一足早く事の次第を(15話参照)伝えるためにやってきた。

 
一部始終を聞いた安岐は、
「それじゃ幸村様、はやめに帰ってきますね!佐助さん、ありがとうございます!」

急ぎ馬を走らせ、帰る道中…。

「『女子に生まれたばかりに』かぁ…私と同じことを考えている女性(ひと)がいるんだなぁ」

敵ながら親近感をわかせてしまう自分にハッとする。

「ん?どうしたの安岐ちゃん」

尋ねるのは黒い鳥につかまり飛んでいる佐助。
旦那の奥方護衛も忍の仕事のうち(?)なのである。

「あ、いや何でもないんです!…それにしてもちゅーかあ…うちの人には絶対無理ですね」

「うん…ま、ダンナじゃ無理だろうね。今のところ…」

「でもそういう幸村様が好きだから、まぁいいです」

「安岐ちゃんってダンナ一筋だよね…良いねぇ羨ましいよ」

「そのうち佐助さんのことを一途に想ってくれる方、あらわれるかもしれませんよ?」

佐助は、それを聞いて“はは、どうかねぇ…”と、安岐を眺めてため息をついた。
 
自宅に急いで帰宅した後。
すぐに幸村も、帰ってきた。
心なしか、ちょっとだけ眼を赤くしている。

「お帰りなさいませ」 もちろん、今回も戦場の近くまで行ったことはバレていない…はず。
何事もなかったかのように用意しておいた団子の皿を出す。

「うっうっ安岐…!伊達領はっ破廉恥でござる」

幸村は切々と訴えた。
認めあったライバルが目の前で前田夫婦のよ うに奥方とハレンチーなことをしたのが、ショックだったのだろう。

「まぁ、幸村様を(泣かして)追い帰すなんて、凄い方もいるのですねぇ」

実はちょっと冷や汗をかいているのだが幸村が気付く気配は全く無い。

「感心してる場合ではないぞ、安岐っ!」

「ふふ、次は負けないでくださいね?」

「あたりまえでござる!」

微笑みながらも少し寂しく思うのは、戦場にご一緒できないことに気付いているから…

「(まぁ、また追っかけるし…別に良いけど)」

「安岐、この団子うまいぞ!おかわり!!」

「はいっ!ただいま」

でも、いつかは正々堂々と混ざってみたいなぁ。
貴方の隣で。
そして、それは。
そんなに遠い日でもないような気がして…。
元気よく次の団子を皿にのせた。
 

 
 

<おっしまい!>  

~☆~★~☆~★~☆~★~☆~★~☆~

 

ウチの幸村、破廉恥破廉恥うるさくてごめんなさいね。
バッサーラの幸村はボウヤなところが良いところだと私は思うので、じっくりゆっくり壊していこうかと思っているのですが(笑)
はい、戦場への幸村様追っかけを決行する安岐(もちろん見つからないように)の話でした。(まだ愛とも面識がありません。)
まぁ仮に鉢合わせても「お面かぶってればバレないよ!」と桃桜さんに言われましたが…確かに!(笑)
佐助は何でこんな出来たお嫁さんが旦那にきたんだろうとか不思議に思ってればいいよ。
でもどこかボケボケなところがお似合いです。

 

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